映画「Vフォー・ヴェンデッタ」
テレビでのVの演説
言葉には力がある、そして意義もある。
真実を明らかにすることもできる。
真実とは、この国に大きな間違いがあるということだ。
暴虐、不正、弾圧、それがこの国だ。
かつては自由に考え、しゃべることができた。
今は、検閲や監視が横行し、服従が求められている。
誰がこうしたのか?
程度の差こそあれ責任は多くの者にある。
真の責任者を知りたければ、鏡を見るだけでいい。
気持ちはわかる。
恐れたからだ。
テロ、疫病・・・恐れて当然だ。
多くの出来事が、判断力と良識を奪い去ったのだ。
恐怖とパニックの中で。
理念は単なる言葉ではない。
それは生き方だ。
あなたにとって政府の犯罪が許されるのであれば、
11月5日を忘れていただいて結構だ。
だがもしあなたが私と同じように感じ立ちあがるというなら、
1年後、私と共に議事堂の正面に立とう。
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「V フォー・ヴェンデッタ」
■ アラン・ムーア(作)/デヴィッド・ロイド(画)
■ サイズ: B5判 並製本(ソフトカバー) 304頁
■ 発売日:2006年4月21日
■ 定価: 2,520円(税込)
■ 発売元:小学館プロダクション
■ 内容
1997年、イギリスは独裁政権の支配する全体主義国家と化していた。
その影で、謎の男「V」は政府の転覆を狙っていた…!
真の自由を求め葛藤する魂を描く、英コミックの名作。
ウォシャウスキー兄弟製作・脚本映画原作。
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アマゾンレビュー
ナイトオウル
まず異論を挟む者はいないであろう、
アメコミ史上最高傑作「ウォッチメン」の作者アラン・ムーア。
その初期代表作が遂に翻訳出版!小プロさま、映画化さまさまです。
映画版は原作の内容をそこそこ忠実に再現していましたが、
やはりムーア作品の完全再現は不可能。
コミックの情報量は、映画の、軽く5倍はあるでしょう。
複数の物語が同時進行し、やがて一つの大きな結末へと結びつく構成は、
「ウォッチメン」の原型と言えます。
ただ、暗い管理社会の描写が続く内容は、イギリス時代の作品という事もあってか、
一般的アメコミのイメージは勿論、「ウォッチメン」とも、かなりテイストが違います。
ユーモアも交えぬ乾いた描写は、はっきり言って陰気で地味。
白と黒のコントラストを強調した作画も、内容には合っているのですが、
魅力的とは言えない。
正直、気軽に読める娯楽コミックでは、ありません。
もっとも、そんな期待を抱いて本書を手に取るヒトはいないでしょう。
貧乏時代のムーアが全力を注いだ、真の処女作。
体制の不正を許さず、権力にひとり挑む男=Vの怒りと執念は、
コミック蔑視の中で新境地を開かんと苦闘したムーアの姿に、
重なるのではないでしょうか?
巻末のエッセイと解説も読みごたえアリ。
「V」を読まずに、コミックを語るな!
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| V フォー・ヴェンデッタ DVD |
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