2023年12月1日金曜日

難民映画祭

 難民映画祭

 

外語祭の時にこんなチラシを見つけた。

11/30までだったので二日間で6本見た。







【オンライン】6作品まとめて鑑賞 / 第18回難民映画祭2023(11/6~11/30)


1.『ビバ・マエストロ! 指揮者ドゥダメルの挑戦


物語の背景・ベネズエラで起こっていること

 ドゥダメルの出身国であるベネズエラは世界一の原油供給国であり、南米で最も豊かな国でした。しかし、2013年にマドゥロ政権が発足してまもなく、原油価格の急落によってインフレが発生、致命的な物資不足が市民の生活に深刻な影響を及ぼすことに。市民の不満は高まり、2017年にはベネズエラ全土で大規模な反政府デモが勃発しました。映画には、ドゥダメルの交響楽団の仲間が亡くなった悲劇も描かれています。UNHCRの活動も治安上の理由による活動の延期が相次ぎました。

 2017年以降、700万人以上の人々が、保護とより良い生活を求めてベネズエラを離れています。その大半の600万人以上がラテンアメリカやカリブ海諸国で受け入れられています。UNHCRは、ベネズエラ人を寛大に受け入れてくれた社会での受け入れを支援し、安定を生み出し、彼らのコミュニティの成長と発展を促進するための解決策を見出すため、南北アメリカのみならず世界各地で活動しています。

 ベネズエラは、今もなお情勢不安が続いているため、多くの人々が生活物資の不足や経済困難に苦しみ、国外流出する人が後を絶ちません。しかし、ドゥダメルは、国際的な評価を得たのちも地元を大切にし、楽団員が音楽活動を継続できるようにするなど、ベネズエラが明るい未来を取り戻せるよう尽力してます。


2.心の涙をことばにして ~今日を生きる子どもたち~


物語の背景・カナダの難民への対応について

 カナダは難民の受け入れに積極的で、毎年40万人以上を受け入れています。この映画は、心理学者のガリン・パパジアン・ゾラビアンのサポート活動を中心に、難民の子どもたちが自身の過去と向き合う姿を映し出しています。

 カナダはUNHCRに対して、財政、外交、政策面で多大な支援を行っています。特に中東、アフリカ、南北アメリカにおいて、UNHCRの保護、人道支援、解決活動にとって重要な国です。

 カナダの国際援助政策は、ジェンダー平等と女性のエンパワーメントに関するリーダーとしてカナダを位置づけ、女性と女児の保護と教育へのアクセスを可能にするジェンダーに対応した人道援助プログラミングにつながっています。

 カナダはまた、第三国プログラムにおけるリーダーシップ、補完的な受入れへのコミットメント、南北アメリカにおける庇護システム強化のための能力構築支援を通じて、解決策に関する強力な支援も提供してきました。




3.私は歌う ~アフガン女性たちの闘い~



物語の背景・アフガニスタンの状況

 アフガニスタンの終わりのない紛争の裏には別の戦いが存在します。

 1990年代後半、タリバン政権は、政治的、宗教的対立で長い間混乱していた国内情勢を立て直しましたが、女性の教育、職業選択、公共の場での行動を厳しく制限し、女性の権利に深刻な影響を与えました。

 2001年9月の米国同時多発テロ事件を機に、米英主導でアルカイダ及びタリバンに対する軍事行動が行われ、11月「北部同盟」がカブールを制圧、12月までにタリバン支配地域が奪還されました。タリバン政権崩壊後、2001年12月のボン合意に基づき、移行政権の発足、新憲法の採択・発布、大統領選挙、下院議会・県議会選挙に至る一連の統治機構整備プロセス(ボン・プロセス)を通じ民主化が進展しました。(外務省HPより)

 しかし、タリバンはアメリカ主導の有志連合によって政権を追われた後も、国内に強い影響力を持ち続けていました。

 2021年8月、再びタリバンが政権を握った後も、UNHCRは現場での活動を継続していますが、情勢不安、経済危機は続き、国民の約半数に値する2400万人が人道支援を必要としており、600万人が飢餓に苦しんでいます。


また、2022年6月にはアフガニスタン南東部にて大規模な地震が発生、また今年2023年10月、アフガニスタン西部のヘラート地域でも、大規模な地震が発生。さらに多くの人々が避難を強いられています。


4.南スーダンで生きる ~ある家族の物語~




物語の背景・南スーダンで起こっていること

 長い紛争の末、2011年7月9日に独立し「世界で一番新しい国」となった南スーダン。新生国家としての体裁づくりに着手しましたが、国造りで目に見えた成果が見られる前に、与党スーダン人民解放運動(SPLM)内の派閥抗争(キール大統領派対マシャール前副大統領派)が激化。2013年12月、首都ジュバにおいて、大統領警護隊同士の衝突が発生し、再び内戦状態に発展。ジュバの治安はすぐに回復しましたが、その後各地で衝突が続き、多くの難民が発生しました。2016年7月に政府と反政府勢力との間で新たな衝突が発生してから、緊張状態が続いています。(外務省HPより)

 長引く紛争のみならず、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)やウクライナの戦争による世界的な不況、食料不足による飢餓のため、国内外に避難する人々は更なる窮地に陥っています。また、2021年10月には、約8週間もの豪雨に襲われ、数十年で最悪の洪水により70万人以上が被災。気候変動の影響はあらゆる大陸や地域に及んでいますが、アフリカ東部での被害は特に深刻です。すでに苦境に陥っているコミュニティは、予期せぬ洪水、嵐、不安定な雨量、悪化する猛暑と乾燥により貧苦に直面し、水、食料、生計、土地、そして健全な環境といった基本的ニーズと権利が大きな打撃を受けています。

 南スーダンからの難民は、周辺国のウガンダをはじめ、エチオピア、スーダン、ケニア、コンゴ民主共和国、中央アフリカ共和国といったコミュニティが受け入れてきました。2023年4月15日にスーダンで軍事聖徳が起きた結果、南スーダンでは、UNHCRのチームがパートナーとともに国境通過地点に立ち、新たに到着した人々(主に難民としてスーダンに滞在し、戻ってくる南スーダン人)を支援しています。



5.マインド・ゲーム 〜自分の道を信じて〜



物語の背景・ベルギーの難民受け入れについて

 2021年、ベルギーは25,971件の庇護申請を数え、そのほとんどはアフガニスタン、シリア、パレスチナからの人々でした。同年、10,093人が難民として認定されるか、補助的保護を受けました。

 ベルギーにおけるUNHCRの活動は、難民、庇護申請者、無国籍者に関わる当局や組織の支援に重点を置き、法律、手続き、政策、慣行が国際的な保護基準に合致するように努めています。

 ヨーロッパ地域全体で、UNHCRは難民主導の組織を通じて、保護と難民参加のためのコミュニティベースのアプローチを進めています。
UNHCRは、難民の子どもたちや若者たちが質の高い教育を受けられるよう取り組んでいます。教育は、避難民の子どもたちに安定した安全な環境を提供し、人々がコミュニティを再建し、生産的で有意義な生活を追求するのに役立ちます。



6.シャドー・ゲーム ~生死をかけた挑戦~


物語の背景・危険を冒してもヨーロッパを目指す人々

 2015年、何十万人もの難民・移民が安全を求めヨーロッパを目指す、ヨーロッパ・地中海危機について報道されるようになりました。シリアやイラク、北アフリカなどの紛争や迫害等から逃れるため、数百万人の難民が、危険な海を渡りヨーロッパを目指しました。この危険な旅路で毎年数千人が命を落としているにも関わらず、今でも多くの女性や子ども含む難民が安全を求め、ヨーロッパを目指し海を渡っています。旅路の途中、人身売買を含む暴力や搾取の被害に遭う女性や子どもも少なくありません。この地の難民危機は、今も続いているのです。

 命がけでヨーロッパにたどり着いても、難民の苦難は続きます。UNHCRは人道支援を最優先に、1人でも多くの難民の命を守るため、食料や医薬品、そして避難所を提供できるよう、難民援助活動を実施しています。

 ヨーロッパでは2022年、ウクライナからの500万人近い難民が、EU(欧州連合)の一時保護指令や同様の国内制度に登録され、国の制度や地域コミュニティに組み込まれました。UNHCRは、各国の対応を支援するとともに、EU機関および加盟国と協力し、移民と難民が混在し複雑化する欧州への移動によりよく対応し、管理するための革新的で合法的な方法を模索しました。

 このウクライナ出身者への一時的な保護の経験は、他の地域からの難民に対するより広範な受け入れ努力のきっかけとなり、国の制度やサービスへのアクセスを妨げる障壁を特定し、それに対処することや、雇用機会を促進するための民間セクターとのパートナーシップの拡大につながっています。

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