http://www.j-cast.com/kaisha/2011/06/22099211.html?p=all
WEBインフラ事業などを行うGMOインターネットが、福利厚生の一環として24時間無料の社員食堂を開設し、話題となっている。
同社の熊谷正寿会長兼社長は2010年10月のグループ全体会議で、福利厚生の拡充を公約。「世界一の人財」を集める場として、世界一を目指す食堂を作ることにしたという。
お菓子取り放題、金曜日はお酒もタダ
約100坪の社員食堂は、同社グループの社員約2300人が利用可能。8時から20時まではカフェスペースで、近隣のホテルから仕入れた焼きたてパンと、エスプレッソマシーンによるコーヒーを味わえる。
正午から14時までは、ビュッフェ形式の日替わりランチが食べ放題。お菓子やフルーツも取り放題だ。金曜日の夜に限り、カラオケ機材などを備えたバーが22時までオープンし、ビールやカクテルが無料で提供される。
20時から翌8時までは、無人の自動販売機で対応。「24時間営業」というには少々苦しいが、おにぎりやスナックがいつでも無料で購入できるのはおトクではある。
このほか、昼寝スペースや10分500円のマッサージスペース、6歳までの子どもを預かる有料の託児所を併設する予定だ。
同社によると「24時間無料の社員食堂は、おそらく日本初」。海外でも、グーグルやツイッターやフェイスブックなど数えるほどしかないという。ネット上には、この取組みを賞賛する声が上がっている。
「うらやましい!」「これは働きたくなる」
「他の日本企業もぜひとも見習って欲しい」
「社員満足度にフォーカスする企業は伸びるんだろね」
総工費は約9000万円。月の運営費は約2000万円だが、「優秀なエンジニアが集まるのなら安いのかも」というコメントもあった。
ただ、「あとは風呂さえあれば住める!」と驚嘆する人もいる一方で、「家に帰るなってことか」「深夜労働を奨励する証」「シフト制じゃないなら単なるブラック企業」と揶揄する声もある。
食べた分だけ「税金」が増える?
こうしてみると「理想の福利厚生」のようにも見えるが、気になる点もある。ビュッフェの食事は重さを量り、社員に配布されるカードで管理される。費用は各事業部のコストに割り振られるので、その分頑張って働かないわけにはいかないだろう。
また、「無料食堂」で食事をすればするほど、税金が増える可能性があるという。税理士の渡邊大氏は、こう指摘する。
「社員食堂の費用は、半分以上を社員が負担していないと『現物給与』とみなされます。無料とうたわれていても実質的な所得として課税対象となり、源泉所得税・住民税が上積みされます。また、社会保険料にも影響するはずです」
つまり、食べた分だけ「給与」となるので、大食いをする人ほど得をするが、税金や社会保険料が増えてしまうということだ。食堂の利用料を1日500円、月1万円とすると、税金と社会保険料は月に数千円増えることになる。
「現物給与」のカウントの仕方も悩ましい。もしも自分で食べた分だけ負担するのなら、福利厚生のありがたみがなくなる。運営費用を社員全員で均等に割り振れば、利用しない社員が不公平感を抱くおそれもある。
GMOグループの広報担当者に取材したところ、このような検討課題があることを認めた上で、「社員たちへは負担を極力かけず、かつ正しい処理を行っていきたい。具体的な手法については、オープン後の利用動向等を踏まえて決定したい」と答えている。
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