2014年4月21日月曜日

7/13まで ルドルフ・シュタイナー展 天使の国

2014年3 月23日―7月13 日 ワタリウム美術館、東京 サイト

大人1000円

ワタリウム美術館


現代アートは、『今をどう生きるか』という問いから始まります。
かつて、現実生活からのがれて、山で一人籠って制作した絵画を鑑賞する時代と、厳しい毎日に追われている現代人が作品に感動する時代とは、明らかに違うものになっています。

ワタリウム美術館は、展覧会に関係した講演会やワークショップだけでなくテーマ別の研究会、講演会、ワークショップを年間で行っていきます。他分野の専門家たちから多くの幅広い知識と考え方を学んでいきながら、新たな現代アートとの接点を探ります。

ルドルフ・シュタイナー展 天使の国


〒150-0001
東京都渋谷区神宮前3-7-6
Tel:03-3402-3001
Fax:03-3405-7714

休館日:月曜日

開館時間:11時から19時 水曜日は21時



 ルドルフ・シュタイナー(1861-1925)は哲学者や教育者、ゲーテ研究者、そしてアントロポゾフィーの創始者として知られている。

 また、スイス、バーゼルの郊外ドルナッハの小高い丘の上に建つゲーテアヌムに代表される独特な建築物も生み出している。この展覧会では「黒板ドローイング」「シュタイナーの建築とデザイン」「第二ゲーテアヌム」の3つのアプローチから、シュタイナーに迫る。

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サイト


 会期 2014年3月23日(日)― 7月13日(日)
bらんck休館日月曜日[5/5は開館]
bらんck開館時間11時より19時まで[ 毎週水曜日は21時まで延長]
bらんck 入場料 大人 1000 円 / 学生[25 歳以下] 800 円 
ペア券:大人 2人 1600円 / 学生 2人 1200円 
会期中何度でも入場できるパスポート制チケット
身体障害者手帳、療育手帳、精神障害者保健福祉手帳をお持ちの方:ご本人500円/介助者[1名様まで] 800円*会期中何度でも入場できるパスポート制チケット
bらんck 助成プロ・ヘルヴェティア財団/
ハンス・フリーダー・ウィルマン財団
bらんck 後援スイス大使館
bらんck 協賛株式会社ヴェレダ・ジャパン
bらんck 出展協力ルドルフ・シュタイナー遺産管理協会
bらんck 監修ヴァルター・クーグラー
bらんck 会場デザインフジワラテッペイアーキテクツラボ
bらんck 映像制作大房潤一 
bらんck グラフィックデザイン山本和久(Donny Grafiks)
bらんck 特別展示坂口恭平(アーティスト・建築家・文筆家)
オラファー・エリアソン(アーティスト)
鈴木理策(写真家)
bらんck ライブ参加カールステン・ニコライ(アーティスト・音楽家)

manray

月を眺めるときには、こう言えなければなりません。

今見ているこの月は、
宇宙の進化の中で、
みんなが非個人的な知識を個人的な課題にすることを忘れたり、
個人的な欲求を愛に変えて社会生活の中で全人類の一般的な課題にすることを忘れてしまったりしたら、人類がそういう人ばかりになったら、
地球がどんな存在になってしまうかを示しているのだ。

いわば地球存在のカリカチュアを示しているのだと。

ルドルフ・シュタイナー


月を見たら、こう思ってください。

今見ているこの月は、地球の未来をあらわしている。

宇宙は進化しています。
しかし、
会社や組織が発見した知識や知恵を社会で共有しなかったり、
個人的な欲望を愛に昇華しせず、社会問題について無関心でいたり、
そうした利己的な人ばかりになってしまったら、
資源を使い果たした、殺伐とした月のようになってしまう。

月は地球の未来の姿なのだ。

portrait



Rudolf Steiner Das Reich Der Angeloi

 ルドルフ・シュタイナー(1861~1925年)はゲーテ研究家、人智学の創始者、哲学者、そして教育者として日本でもよく知られています。今回の展覧会ではシュタイナーをさらに知るための3つのアプローチを用意しました。

 1つめは黒板ドローイングです。シュタイナーが農民や労働者、学者たちに向け行なった講義の際、内容を説明するために用いたものです。弟子たちは講義録とともに黒板の絵や文字も遺したいと考え、あらかじめ黒板に黒い紙を貼ってそれを保存するようになります。1919年から亡くなる1925年までの6年の間におよそ1000点の黒板ドローイングが遺されていますが、本展では晩年の24点を展示します。赤や黄色のチョークで力強く描かれたドローイングは時代を超えてさらに輝きを放ちます。近年、これらは"思考する絵"というアートの新しいフィールドとして世界で注目を集めています。

 2つめは、シュタイナーの建築とデザインです。1913年に着工され1922年に火災により消失した幻の建物「第一ゲーテアヌム」を300
余点のドキュメント写真や模型で、さらに日本で初めての公開となるウインドーのための習作ドローイングなども展示します。また、シュタイナー自身がデザインし現在も使用されている家具やランプ、それらのかたちの原点を見ることができる装飾品などさまざまなアイテムを展示し、思想から日常まで広がるシュタイナー哲学の実践を検証します。

 そして、3つめはスイス、ドルナッハの丘に現在も建つ「第二ゲーテアヌム」です。第二ゲーテアヌムとその周辺を坂口恭平(建築家・アーティスト)が表わしたジオラマ、鈴木理策(写真家)の写真作品、本展のために新たに撮り下ろした最新のハイヴィジョン映像などによりご覧いただきます。また注目のオラファー・エリアソン(アーティスト)もシュタイナー思想から大変影響を受けた一人ですが、ここではエリアソンのデザインによる『オロイド・ランプ』を展示します。


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ルドルフ・シュタイナーのプロフィール


1861年2月27日 オーストリアのクライエヴェックに生まれる。
1882年 ウイーン工科大学(1879~)卒業後、ゲーテの自然科学論文(特に色彩学)をキュルシュナー版として刊行。
1890年 - 97年 ワイマールで、ゲーテ・シラー文庫の学芸員としてゾフィー版ゲーテ全集の出版に携わる。
1897年 哲学上の主著『自由の哲学』を出版。
1899年−1904年 ヴィルヘルム・リープクネヒトの創設した労働者教養学校の講師。
1902年 秋、神智学協会ドイツ支部事務総長に任命。各支部の設立とヨーロッパ講演旅行。
1910 - 1913年 ミュンヘンにて四つの神秘劇の初演。
1912年 神智学協会から除名、人智学協会の設立。
1913年

バーゼル近郊ドルナッハにて、彼の設計によるゲーテアヌムの定礎式。
ゲーテアヌム内部の彫塑作品、天井絵、彫刻「人類の代表」。
1919年 シュトゥットガルトのヴァルドルフ・アストリア煙草工場労働者子弟のための学校設立。
シュタイナーは没するまで、その指導に当る。
1925年3月30日 スイス ドルナッハに没す。

angel

 天使の国
 
  統一されていた天使の国の領域が、二つに分かれました。
  一方の天使の領域は高次の諸世界(黄)を志向し、
  もう一方は下方の深い諸世界を志向しています。



人も植物も状況次

ゲーテなら多分、こう言うでしょう。
――「私たちがある人を見るとします。その人は自分が無一物なのに、
たらふく御馳走を食べている人を目にして、
嫉妬のあまり青ざめた顔をしています。
ところが別の折には同じ人が誰かに平手打ちをくらい、
まっ赤になっています。
さて、ここにある2 枚の葉を見るときと、
同じ観点に立って、こう言えるでしょう。
あるときは青ざめ、別のときはまっ赤だったとしても、
それが二人の人のことではないように、葉も2 枚ではないのだ。
ただ1 枚の同じ葉が、あるときはここにいるし、
別なときは別のところにいる。」
これはゲーテにとっては、何も不思議なことではないのです。
人間もまた、あるところから別のところへ走っていくことができます。
皆さんがいろいろいなところで出会うからといって、
違う二人ではないのと同じです。

1922年9月30日



ルドルフ・シュタイナーがデザインしたペンダント 
 銀製、アメジスト 6 . 7×8×1 c m  制作年不明




ゲーテアヌム/南側淡紅色ガラス窓アーシャ・ツルゲーネフによるエッチング





ゲーテアヌム/北側緑色ガラス窓中央のためのドローイング
紙に鉛筆 2 2×2 9 C M  1 9 1 3 -14 年


4月6日(日) 18:00~20:00
アナキズムとアート
[対談] 高橋巌+坂口恭平

高橋巌 たかはしいわお 東京都生まれ。慶応義塾大学哲学科美学・美術史教授を経て、1985年5月より、日本人智学協会代表。
坂口恭平 さかぐち きょうへい 1978年熊本県生まれ。アーティスト・建築家・文筆家。

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