2012年2月12日 火曜日
アルゼンチン デフォルト
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るいねっと より
国家がデフォルトする~アルゼンチンの事例~
末廣大地 ( 28 建築士 ) 08/10/15 AM07 【印刷用へ】
デフォルトした国家として、アルゼンチンの事例がしばしば引き合いに出されます。
今回はアルゼンチンのデフォルトについて、田中宇の国際ニュース解説(リンク)より引用します。
----引用開始----
>1990年代になると、アルゼンチンは一転して模範的な経済体制だといわれるようになる。
>1989年に就任したカルロス・メネム大統領は、関税を下げて貿易を自由化し、国営企業を民営化し、投資制限を解除して海外からの資金流入を増やし、政府による経済規制を減らして市場原則に任せるという「経済自由化」を行った。
>これは冷戦の勝者となったアメリカが「グローバル・スタンダード」として世界に広げていった経済体制で、アルゼンチンはいち早くその体制に転換し、90年代前半には年率8%近い高度経済成長となった。
2.固定相場で投資を呼び込んだ
>このときアルゼンチンが成功したもう一つの理由とされたのは、通貨ペソの為替変動を抑えるため、ペソの為替相場を1ペソ=1米ドルで固定する政策をとったことだった。為替相場を固定することによって、海外の投資家、特にアメリカの投資家が、為替変動のリスクを気にせず、米国内の企業などに投資するのと同じように、安心してアルゼンチンに投資できるようになった。
>アルゼンチン政府は手持ちの米ドル資産の総額を越えない範囲でペソを発行し、人々がすべてのペソをドルに替えようとしたとしても政府が対応できるようにしておくことで、人々に不安を抱かせず、ペソの価値を維持するというものだった。アルゼンチン政府だけで対応しきれなくなった場合は、国際金融機関であるIMFがアルゼンチン政府に融資して支える体制だった。
3.固定相場が輸出の足かせに
>アジア通貨危機は、その後ロシアに飛び火した後、1999年に南米のブラジルを襲った。ブラジルも隣国アルゼンチンと同様、1ドル=1レアル前後の為替を維持していたが、為替を固定する方法がペッグ方式だったので、投機筋の攻撃を受け、レアルは大幅な切り下げに追い込まれた。
>アルゼンチンのペソは無傷で、危機に強いことが証明されたが、問題はその後に起こった。ブラジルもアルゼンチンも、輸出を増やして経済発展することを目指しているが、ブラジルのレアルが大幅に切り下げられたため、ドルで換算したブラジル製品の価格がかなり下がり、その分アルゼンチン製品の方が割高になった。通貨切り下げの後、ブラジル経済は立ち直り始めたが、アルゼンチンは逆に不況になった。
>中南米では1994年にメキシコが通貨危機に襲われて切り下げを断行している。通貨切り下げに追い込まれる国が増えるほど、切り下げができない制度をとっているアルゼンチンの輸出産業は苦しむことになった。
>そんな中でアルゼンチンの不況は1997年からしだいにひどくなり、2001年には経済成長率はマイナス11%というひどい落ち込みとなった。アルゼンチンのペソがドルと等価というのはペソが高く評価されすぎているという市場の懸念を和らげるため、アルゼンチン政府はペソ建ての国債の金利を上げ、ペソの価値を高めようとしたが、金利の高止まりは企業の資金調達コストを上げてしまい、景気への悪影響が増えることになった。
>失業率も20%に達し、政府は税収の落ち込みから、公務員の給与や年金を支払えなくなり、4000万人近い国民の4割にあたる1400万人が貧困層になり、今日明日の食べ物にも困る人々が国民の1割以上、500万人もいる状態になった。1950年代まで豊かな先進国の一つに数えられていたアルゼンチンの姿は、もはや見る影もなかった。
----引用終了----
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野武士旅団より 2010年8月13日
べンジャミン・フルフォード「日本がアルゼンチン・タンゴを踊る日」を読了
第2回目のレビュー
ベンジャミン・フルフォード「日本がアルゼンチン・タンゴを踊る日」を読了。バブル崩壊からこっち、日本が飽きずにダックテイルを続ける理由について書かれた本。およそ日本人には書けない内容であり、一読の価値はある。特に90年代~2000年代初頭の就職氷河期を経験した人は必読である。あなた方を苦しめた元凶はこういうことだったのです。怨むなら彼らを怨みましょう。
淡い期待にダマされて10年、掛け声総理に騙されて5年、無関心にならされて5年。バブル崩壊後の日本はかくして20年間を空費した。景気対策の名のもとで巨額の資金が投下されたが効果は上がらなかった。それもそのはずで、壮大な無駄遣いと利権サークルへの分配以上の意味合いはなかったからだ。著者が指摘しているように、この国は政財官に加えてヤクザが取り仕切っている。不良債権処理が遅々として進まなかった(過去形だが、今だ解決していない問題だ)理由はここにある。パンドラの箱を開けた勇者もいたが、彼らは全て暗殺された。これら暗殺は公式には自殺として処理されるのが慣例になっている。また、社会の木鐸にして第4の権力を「自称」するマスコミも真実を一切報じてこなかった。ネットを嗜んでいる方ならご存じであろうが、例の「報道しない自由」をいかんなく行使した結果である。つまり、日本人の手による自浄はほぼ絶望といっても過言ではない。仮に自浄効果を期待するにしても、バブル期に踊った人々が死に絶えるのを待つ必要がある。だが、雪だるま式に増え続ける国の借金は時期の到来を待ってはくれないだろう。先日、国の借金が900兆円を突破したと報道されていた。国民1人あたり700万円もの借金である。もはや手遅れと言っても過言ではなかろう。あの手この手の目くらましはもう飽きた。これからは財政破綻を前提に備える必要があるのかもしれない。財政破綻すればGHQならぬIMFが乗り込んでくる。自浄を期待できない以上、外圧に頼るほかないではないか。ただし日本の復活を本気で望む国があるかどうかは微妙であるが。
第1回目のレビュー
「Yakuza recession」。不良債権処理が進まないのはヤクザの存在が大きい。いや、ヤクザが絡んでいるから進まないのだ。利息が滞った債権がそのままになっている理由は893案件だから。お察しのとおり、ヤクザが怖くて、誰も効果的な手が打てないのだ。打てば彼らに報復される。だから報復が怖くて手を出せない。至極簡単明瞭な理屈である。なにも日本に限らず世界中で見られる光景だ。ただし、日本の場合は「先進国のわりに」という冠がつくけれども。本当に先進国なのかね、この国は?
日本を牛耳っているのは政官財にヤクザ加えてを加えた4者連合である。バブル以後はヤクザの存在感が急速に肥大化している。それというのも、バブル期の狂奔時代に弱みを握られた連中が多いからだ。業界用語では「金玉を握られる」と言う。日本の失われた~年は今後も続くだろうし、それはバブル期に踊った連中が死に絶えるまで何も変わらないだろう。もっともそれまで日本が財政破綻しないという保証はないし、むしろ確実に破綻している可能性の方が高い。先日のニュースでは、国の借金がとうとう900兆円(国民1人当たり700万円)を超えたそうだ。破綻を回避するには、日本人による自浄作用に賭けるしかない。そんなことは誰でも分かっているが、バブル崩壊後からこっち誰一人として成功した者はいない。なぜなら暗殺されるからだ。暗殺されるのが怖いからだ。今までの事例をご覧になれば分かるように、改革の旗手はことごとく暗殺されることになっている。公式には全て自殺として扱われるのが慣例である(警察もあてにならない)。そして、それらは自殺として報道されることはあっても、絶対に真相が報道されることはない(マスコミはもっとあてにならない)。よーするに、一度破綻してGHQ(IMF)に乗り込んでもらうしかない。なーに戦後ほど酷くはないさ。少なくとも焼け野原ではないのだから。もうあきらめたよ。やれやれ。
日本がアルゼンチン・タンゴを踊る日 初版は2002年12月発行
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アルゼンチン経済の大崩壊crashing downは、日本の明日の姿だ。欧米のエコノミストも、日本の金融関係者たちも、みなそう思っている。残念ながら、この私もそのひとりだ。というのも、私は、次々と内外の関係者を取材し、その誰もが日本経済の未来について有効な処方箋を持っていないことを知ったからだ。とくに、前FRB議長ポール・ボルカー氏Paul Volckerの次のような見方には衝撃を覚えた。「日本が現在置かれている状況は、これまでの経済学economicsの教科書にはないものです。先進国といわれる国でこのような状態に陥った国は、歴史上例がありません。とはいえ、日本が抱えている問題は経済問題ではなく、政治問題なのです」
つまり、日本はいま全知全能を傾けて、独力でこの危機を脱出するしかない。
不良債権はなぜ処理できないのか? 改革はなぜ進まないのか? 日本の未来がアルゼンチンのような状態になるのが確実となってしまったいま、この疑問に真剣に応えた一冊。著者は米メディアの記者で、日本経済を十数年にわたって取材し、その集大成として本書を書き下ろした。
著者の結論は“Yakuza Recession”[ヤクザ不況]。つまり、日本の不良債権はほとんどがヤクザ絡みであり、現在の不況はヤクザが政・官・業とタッグを組んで作り出したものという。大手メディアや学者・評論家では、けっして語れない真実が暴かれる。
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