2015年2月18日水曜日

ジャーナリストはなぜ戦場へ向かうのか


2015年2月17日

主催 一般財団法人 山本美香記念財団


ジャーナリストはなぜ戦場へ向かうのか

サイト

ジャーナリストはなぜ戦場へ向かうのでしょうか。

危険な取材をなぜ行うのでしょうか。

ある政治家は外務省の警告にもかかわらず、シリア取材を行った後藤健二さんについて、「どんなに使命感が高かったにしても、蛮勇と言わざるをえない」と述べるなど、戦争を取材するジャーナリストへの批判も強まり、ジャーナリストの側に萎縮する傾向も生まれてきています。

ほんとうにそれでいいのでしょうか。

このシンポジウムでは中東などの戦地を取材してきたジャーナリストたちに、戦場取材の経験や意義、取材にかける熱い思いなどを語ってもらいます。

川上泰徳(元朝日新聞中東アフリカ総局長)
佐藤和孝(ジャーナリスト/ジャパンプレス代表)
関野吉晴(探検家/武蔵野美術大学教授)
藤原亮司(ジャーナリスト)
安田純平(ジャーナリスト)

(司会)野中章弘(アジアプレス代表/早稲田大学教授)




検索すると色々な紹介記事があった。

・なぜジャーナリストは戦場へ向かうのか「安倍政権の対応より論ずべきことがある」シンポジウム開催へ HUFF POST


シンポジウム登壇者の一人、藤原亮司 さんはそう指摘する。藤原さん自身も、パレスチナやシリアなど中東各地で取材を続けてきたジャーナリストだ。藤原さんはハフポスト日本版の取材に対し、以下のように語った。

「政府が行くなというから取材に行かない、本当にそれでいいのかと感じます。

最近では報道機関の側からも、『政府から自粛要請が出ているのに、取材に行くなんてけしからん』という意見すら出ています。しかし、ジャーナリストが『危険だから取材に入らない』となったら、誰が報じるのでしょうか。

人々が暮らしていたところに戦争が起きて、日常が破壊される。家族や友人を亡くして笑顔が消える。

その一方で、戦争の正当性を主張する者もいる。

ジャーナリストが現地で取材して、初めて見えてくる問題もあるのです。

政府によって制御された取材では、多角的に問題を捉えることができなくなります。

戦争は、決して遠い国の何処かで起きている特別なことではないのです。

戦地にも人々が暮らしています。その生活、国を捨てて難民として生活する人もいます。

それらの人にも当然、我々と何ら変わらない日常があり、どんな紛争や抑圧といった不条理のもとでも、それを何とか守ろうと暮らしている」。

藤原さんは、2013年にシリアで化学兵器が使われたとされる問題 をあげ、当時の世界の無関心が「イスラム国」の台頭につながったとする考え方があることを紹介した。

「アメリカは、シリアのアサド政権が化学兵器を使っていたら介入すると言っていました。しかし、同国の世論・議会は軍事介入に消極的で、結局そのままにしてしまった。

このとき、シリアでアサドに迫害されていた人々は失望し、世界から見捨てられたと感じました。それが、反アメリカ、そしていわゆる『イスラム国』へ傾倒するきっかけになる人々が増えた一因でもあると考えられます。

世界の無関心が、根本にあるのです」。

戦争という過酷な状況に置かれた人々。それでも懸命に生きていこうとする姿を、ジャーナリストは捉え、伝える。ジャーナリストが何を伝えようとしてきたのか、また、政府からの渡航自粛などに、どう対応しようとしているのか。この機会に考えてみてはどうだろうか。

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・なぜジャーナリストは戦場に行くのか~安易な「自己責任論」ではなく「冷静な議論」を BLOGOS

中東の過激派組織「イスラム国」が二人の日本人を人質にとり、日本政府に身代金を要求する事件が起きた。ネットでは、殺害予告を受けている湯川遥菜さんとフリージャーナリストの後藤健二さんの命を心配する声が数多く出ている一方で、「自己責任だから、殺されても仕方ない」と突き放す声もかなりある。

このような「自己責任論」について、どのように考えるべきか——。オンラインメディア「現代ビジネス」の編集長をつとめる瀬尾傑さんは「こういう事件のときには被害者を叩く問題がよく起きるが、簡単に自己責任だというのではなく、冷静に考えるべきだ」と指摘する。


瀬尾さんは、1月21日に放送されたTOKYO MXテレビのニュース番組「モーニングCROSS」で、「実は私自身も、イラク戦争直後の紛争地帯で、武装勢力に捕まったことがある」と明かした。そして、なぜ、危険があるにもかかわらず、戦場ジャーナリストが紛争地域に向かうのかを説明した。

瀬尾さんが武装勢力に襲われたのは、イラク戦争が終了した直後の2004年。フセイン政権が倒れた後のイラクを取材しようと、ヨルダンのアンマンからイラクのバグダッドに潜入を試みた時のことだった。

「自動小銃で武装した集団に襲われて、銃を突き付けられた。結果的に命は助かったが、金品や取材用のカメラなどを奪われた」

命拾いをした瀬尾さんは、イラクに入って取材をすることができた。しかし、イラクで一緒に取材をしたフリージャーナリストの橋田信介さんと小川功太郎さんの二人は、後にイラク国内を車で移動中に襲撃され、命を落とした。

なぜ、ジャーナリストは、そんなリスクをおかしてまで戦場に行くのか――。瀬尾さんは「それは、現地に行かないと分からないことがたくさんあるからだ」と語る。

「僕らがイラクに行ったのは、フセイン大統領が米軍に捕まった直後で、彼は穴倉に隠れていたところを見つかったと報道されていた。しかし、実際に現地に行ってみると、その穴は人がひとり入れるかどうかというもので、ここに隠れていたとは考えにくかった。彼は独裁者なので、最後に隠れる施設はもっと大きなものを用意したはずだ」

 瀬尾さんは取材の結果、本当の場所がわかると内部通報者の身元が分かってしまうから、米軍がウソをついたのではないかという推論に至ったが、「これも現地に行かないと分からないことだった」と説明する。

「橋田信介さんと小川功太郎くんについても、彼らはイラクのファルージャで、米軍がイラク兵の捕虜を虐待していたという事実をつかんで、『月刊現代』でスクープ記事を書いている。このように、ジャーナリストが現地に行かないと分からないことがたくさんある」


また、日本からみると、イラクやシリアは危険な紛争地帯だが、そこで普通に生活している人が大勢いる。「そういう一般の人の生活の中に入っていって取材して、国民がどう思っているのかを伝えるのも、ジャーナリストの大事な役割だ」と、瀬尾さんは話す。今回の事件で人質になった後藤健二さんも、紛争地域の難民の様子を積極的に取材していたことが、ニュースで報じられている。


「日本では戦場ジャーナリストというのは、フリーランスによる一部の活動と思われているが、欧米では違う。戦争報道が、ジャーナリズムの中心に位置づけられている。日本でもかつて、開高健さんがベトナム戦争を直接取材して、死ぬ思いをしながら、戦争文学の傑作を書いている。ジャーナリズムにおいて、戦争取材は極めて重要な役割を果たしているということを、ぜひ理解してほしい」

瀬尾さんは、そのように強調していた。


もし、戦争という犯罪が行われているとき、誰も報道しなければ、犯罪は闇に葬り去られる。

もっとも、ケネディ大統領、ヨハネ・パウロ1世、石井紘基議員が殺されても真相が報道される気配はなく、闇に葬り去られようとしている。





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・戦場取材の意義語るシンポジウム 都内で開催 ニコニコニュース


ここのコメントを見るのがつらい。
でも、これが現実なのかもしれない。
もちろん世論づくりのための作為があるのかもしれないけど。

コメントを見ていると、太平洋戦争の非国民とパッシングする風潮に似ているような気がする。
これからは、お国の方針に背くやつは非国民と言われてしまうのかも。
スクープがなされても、陰謀論だとかいって政府にとって不都合なことは信じられなくなりそう。


戦場ジャーナリストは、捕まったとき、政府に助けを求めたり、政府の責任を追及しているのだろうか?

 政府の責任を追及するのは、野党だったり一部のマスコミのような気がする。

テロに屈しない、とはどういうことだろうか?

人質にされると困るから、人を派遣しないというのは、テロに屈することにならないのだろうか?

殺害された場合、とことん殺人犯、組織を追求する事ではないだろうか?

何人ものジャーナリストが殺害されているが追及しているのだろうか?

進捗状況は報道されないのだろうか?
(もっとも、ほとんどの事件が検証可能なように報道されることはない。
ただ視聴率が稼げそうな場合だけニュースになるのみ)

民主主義の根本である三権分立の基本は、検証可能な事実と監査。

監査が行われないところは不正がはびこり、腐敗し、衰退する。





・・無事に帰れば「自分の功績」で、巻き込まれれば「国の対応責任」っていうのは勝手にすぎると思う。

・・行くのはいいが、個人責任はきちんと負え。今回の件のように捕まって周囲が政府に対して何か言うのはお門違いだろう。


・・命を掛けて得た情報に誰もが興味を持ったり価値を感じるとは限らない。自己満足で尊敬を得たいなら責任をきっちり取る事が大事


・・そしてココには書いてないが「警察や消防等と同じで戦場報道は市民にとって大事な仕事だ」とも言ってる。オマエラは公務員ではないし、誰もそんな仕事を勧めてはいない。


・・自国の事さえ知っても変えられないのに他国の事を知っても何も出来ない終了、知らない時と大して変わらん。記事を仕事にしてる人には悪いが命かけてる人がアホにしか見えない

・・戦場ジャーナリストは、危険を承知で行くのだから、別に国は救助しなくてもいいって言う話は確かにある。まあ、自衛官もだけどさ。

・・ミヤネ屋見てたけど山路さんの話は解りやすいし面白かった。渡航禁止で会見開いてたカメラマンをオオカミ少年と暗に批判してたし。結論:人による


・・行く、行かないは勝手だけど渡航禁止や自粛地域へ「ムリを承知」で行くのだから万が一の場合の方針等を残すなり伝えておくなりすべきでは? 

・・みんな偉そうにコメントしてるけど、集団的自衛権も人任せ、自民党任せの連中だからなぁ。

・・十分身を守れる状況を確保してるなら、伝える役割としては重要だろう。しかし、後藤はジャーナリストとして行って捕まったんじゃねえと何度言えばわかるんだ老害


・・周りが止めろと言うのに自己責任だっつって自ら飛び出していくのは無責任だよね

・・戦争の進み方って、実際戦略面で見るとTVゲームみたいなんだよ。でも現地では、むしろ災害や事故現場に近い状況。「無知は罪なり」なので、戦場ジャーナルはいると思う。

・・戦場取材は誰かがやらなきゃいけないことだと思う。もちろん自分の身を守ることを最優先してもらいたいけど。そういう人を必要以上に責めるのはおかしいと思う。

・・困ってる人を取材して国に援助金出させてはバラマキと政府批判を繰り返すマッチポンプ


・・で、日本の偏向ジャーナリストの情報より海外メディアの情報を一通りさらうほうが圧倒的に信用できる状況はどうなんですかねぇ

・・外国の場合ジャーナリストが危険地帯に赴きテロリストに捕まっても世論は全て自己責任として政府も助けない(交渉に応じない)。意義はあっても責任はこっちに押し付けるな。

・・日本の愚民どもにイラクやシリアの情勢がどれほどの価値を持つ? 伝えるのは勝手だが政府や国民に負担を求めるな。


・・他人の不幸には金と名声が埋まってるから、それだけ。

・・誰も軽視なんてしてない。危険地帯に行くなら遺書と事前準備はしっかりしろって話でジャーナリスト自身が『報道の自由』という錦の御旗ですべてが許されると勘違いしてるだけ


・・ホテル・ルワンダの「悲惨な現状を報道しても、皆あら怖いわねと言ってチャンネルを変える。それだけ」ってセリフを思い出した。 まぁ自分の身を自分で守れるのが前提だがな

・・なぜ戦場に行くかって、そりゃ元締めから大金が入るからに決まってるだろーがよw 己の欲の為なら人様に迷惑をかける事なんて気にしない人間なんだから。


・・自由をこじらせた集団だな。

・・ジャーナリストが情報収集するのは別にいい。問題は後藤さんの例ばかりで自身の体験を例にすべきで、人質の標的にされたなら、行かせないのは政策として当たり前

・・なんでジャーナリストって偉そうなの?


・・こういう「俺達は特別、意義のあることをしている」みたいな特権意識を振りまくから「自己責任論」が噴出するってナンデ理解できないの?

・・どんなに自己責任と言って身勝手に行っても拘束されれば日本政府は救出に動く事になる。家族の思いもそうだろう、ジャーナリストって偉そうにするな!

・・行くのは勝手だしそこで得られる情報の意義も認めるけどそれを伝えるのは君らの自由意思。そこで死ぬことになっても自己責任だからな

・・ちゃんと傭兵雇ったり正規軍にくっついていくならいいが、ケチって捕まって挙句の果てには世界中に迷惑かけるから結構です。

・・クズどもの言い訳か、金儲けって言えよゴミ共



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NHKニュースより

なぜ戦場で取材するのか シンポジウム


シリアを取材中、銃撃戦に巻き込まれて亡くなった山本美香さんの遺志を継ごうと設立された財団が、17日夜、なぜジャーナリストは戦場に向かうのかについて考えるシンポジウムを開き、学生など100人を超える人たちが参加しました。

シンポジウムは、3年前に内戦状態のシリアを取材中、銃撃戦に巻き込まれて亡くなった山本美香さんの遺志を継ごうと設立された財団が開いたもので、東京・渋谷区の会場には学生などおよそ140人が集まりました。
会場では後藤健二さんの事件を受けて、なぜ戦場に向かうのかについて意見が交わされ、山本さんと共に長年戦場を取材してきた佐藤和孝さんは、山本さんが「すべてのジャーナリストの口を塞ぐことはできない。きっと誰かが立ち向かっていくだろう」と語っていたことを紹介しました。
また、山本さんと親交があったフォトジャーナリストの藤原亮司さんは、拘束され殺害された後藤さんについて、「普通の生活のすぐそばで戦闘が行われ、理不尽に命が奪わていくことを伝えたくて取材に入ったのだと思う。現場に行かなければ戦争の実態を伝えることはできない」と話しました。
参加した女子大学生の1人は、「さまざまな議論はありますが、本当のことを伝えるために現場に行くことは必要だと思います」と話していました。


山本美香 ウィキペディアより

 山本 美香(やまもと みか、1967年(昭和42年)5月26日 - 2012年(平成24年)8月20日[2])は、日本のジャーナリスト。ジャパンプレス所属のジャーナリストとしてイラク戦争など世界の紛争地を中心に取材し、ボーン・上田記念国際記者賞特別賞、日本記者クラブ賞特別賞などを受賞した。2012年のシリアでの取材中、政府軍の銃撃により殺害された。


日本の警視庁は刑法の「国外犯規定」に基いてこの事件を殺人容疑で捜査しており、同日杉並警察署で山本の遺体を検視した。


『中継されなかったバグダッド 唯一の日本人女性記者現地ルポ イラク戦争の真実』小学館、2003年 ISBN 978-4093874588

『ぼくの村は戦場だった』マガジンハウス、2006年 ISBN 978-4838716852

『戦争を取材する〜子どもたちは何を体験したのか』講談社、2011年 ISBN 978-4062170499

『山本美香最終講義 ザ・ミッション—戦場からの問い』[早稲田大学出版部]、2013年 ISBN 978-4657130013





外国人ジャーナリストがいることで最悪の事態をふせぐことができる・抑止力





佐藤和孝さん

我々が伝えることによってきっと何かが変わってくれるだろう。


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