渋谷センター街から脇道に入ったところに、ぼくがサウスブロンクスと呼ぶ場所がある。
昼間から目がとろんとした若者がたいてい道に腰かけている。
今日は片側だけかと思ったら、少年マガジンが置いてあり場所どりしていた。
おかしいマガジンは明日発売のはずだ。
ここはかつてのニューヨークの不良の巣窟サウスブロンクスにそっくりだ。
怪しげな店や違法な換金所がある。
もっともこの換金所は大きな声では言えないが、
警察のOBの外部団体とやくざから取り上げたものだ。
警察のOBが合法といえば黒いものも白くなる。
そのかわりに警察が偽造パッキーカードを見逃していたという噂だ。
ファンキーな八百屋の前にファンキーな「らーめん家さん」がある。
今日は空いていた。
ドアを開けると客は一人だった。
と思ったら、店の主が休憩していただけだった。
店のおやじは虚を突かれ慌てふためいて、
カウンターにもどってから、「いらっしゃい」と言ってくれた。
onとoffがしっかりカウンターでわかれているようだ。
一時期に流行った「オグシオ」にあやかって「えびしお」を頼んだ。
ブリブリに怒ったような顔のおやじが、
プリプリの海老ワンタンが入ったラーメンを作ってくれた。
きちんと写真を撮っていいか、親父の目をみつめて尋ねた。
渋い声で「どうぞ」と許してくれた。
ロッテリアのエビバーガーよりもエビがたくさん入った海老ワンタンが数えきれないくらい入っていた。
ちなみに今日は三つ以上はかぞえられません。
店はボロいが、見た目で判断してはいけない。
きちんと礼儀正しい味がした。
ここはハチ公口の八百屋のまえだから「ヤーコーラーメン」と呼びたい。
間違ってもヤクザのヤー公ではない。
しかし、渋谷は恐ろしい街だ。
帰りにスパイダーマンにあった。
ひじ小僧に蜘蛛の巣とクモのボディーペインティングしていた。
もっと恐ろしいことに新宿歌舞伎町から乗り込んできた掟破りの侵入車がいた。
まったく義理も人情もない。
客引きはきちんとエリアを守らないと抗争が起きるというのに。
よく見ると仕方がないと思った。
ロボットに義理人情を求めるのは無理だ。
もっとも昨今では生身の人間も義理も人情もないヤツが多い。
そして知恵もない奴も多い。
今回、タバシオ博物館で知能テストをやっていた。
人を挑発したような絵で「再びこれを判じてごろうじろ」と言っている。
江戸の判じ絵もいいが、現在の渋谷の壁面にある謎の落書きも判じてほしい。
らーめん家さん (ラーメン / 渋谷駅、神泉駅)
昼総合点★★★☆☆ 3.0
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